更新
こうして自分はこの不動産会社に連絡をすぐに入れ、賃貸に出す提案を受けた。賃借人はすぐに決まった。
毎月、安定した賃料を受け取るたびに優良なタワマンを買っておいて良かったと心から思った。
住宅ローンを借り入れた銀行から、あの手紙が届くまでは...。
#タワマン文学大賞
私には夢がある。それはいつの日かタワマンのゲストルームで、低層階の息子たちと高層階の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。

#タワマン文学大賞
タワマンの窓際で

立ちバ●クするのは

賃貸の奴らなんだよなあ

ちかを

#タワマン文学大賞
「ずっと昔からタワマンはあったの?」
スタンフォード大学卒の夫は肯いた。
「うん、昔からあった。子供の頃から。ぼくはそのことをずっと感じつづけていたよ。そこには何かがあるんだって。でもそれがタワマンというきちんとした形になったのは、それほど前のことじゃない。」
 #タワマン文学大賞
これが最上階ですって?ここはお墓よ。あたしとあなたの。
修繕積立金が枯渇したのに、部屋だけ残るなんて滑稽だわ。あなたに権利書は渡さない。あなたはここから出ることもできずに、私と競売にかかるの!
#タワマン文学大賞
「へっへっへ…。上のエントランスはそう言っても、下のエントランスは湾岸じゃねえか」
男はそう言うと、マン美の開口部にいきりたった眺望を捻じ込んだ。
「あ、ああっ…!」
マン美の口からそれまで押し殺していた愉悦の声が漏れる。
「眺望!眺望をもっと頂戴!」

#タワマン文学大賞
二階の子 そこのけそこのけ 五階が通る

【解説】
二階の子が遊んでいる所へ五階の子が通りかかり「二階の子よ、其処をのいたのいた」と馬鹿にするのである。高層階が低層階を馬鹿にするならともかく、低層階同志で争うなど惨めなものだとの心情が綴られている。
#タワマン文学大賞
「すごいっ…もうこんなに勝どき」
晴海はアルコーブを押し拡げた。満潮した運河に屹立するタワマンをそっとあてがう。
「ああっ」
地盤のキツい支持層まで杭を打ち込む。
「もっと…もっと月島っ!」
分速240mのエレベーターが激しく上下運動する。
「もう出っ、ドゥトゥールっ!」
#タワマン文学大賞
油圧ショベルに取り付けられた粉砕機が振り落ろされると鈍く、乾いた音が響いた。屋根瓦が落ち、壁が崩れる音は築50年超の我が家の断末魔のようだ。妻との初夜、子供達の誕生、そして巣立ち…余韻にひたる間も無く、無機質な瓦礫の山が積み上がる。近々、ここにタワマンが建つ。
#タワマン文学大賞
その瞬間、全身の血が沸騰する。子供たちの育つ環境より企業の利益を優先するとは何事か。我々大人が、利益優先のディベロッパーに正義の鉄槌を喰らわせなければ。「おひさまを奪わないで!」スローガンは決まった。仲間達も再び集まる。俺たちの戦いはこれからだ!(完

#タワマン文学大賞
我が屋戸の いささ 外壁ふく風の 音のいと疾き この夕へかも
(高伴タワ持、タワ万葉集巻十九 4291)

解説:タワマン高層階に住んでいると地上の騒音は聞こえてこない快適な暮らしだが、時として外壁に吹き付けるジェット気流の音が大きくて耳が疲れる夕べであることよ😂

#タワマン文学大賞
「拝金主義のディベロッパーは消え失せろ!」
やれやれといった顔でその怒号を聞き流した。再開発事業のスタートはいつもこうだ。
#タワマン文学大賞
A:私立小に通わせてるんですね。授業料はどの程度ですか?
B:月10万円です。
A:お子さんは何人いるんですか?
B:3人です。
A:なるほど。あそこにタワマンがありますね。
B:ありますね。
A:もし公立小だったら、あれくらい買えたんですよ。
B:私はあのタワマンの地権者です

#タワマン文学大賞
「あなたをタワーマンションに例えるとどんなマンションですか?」面接官が聞いた。
少し顔を赤らめて女子学生が答える。
「わ、湾岸マンションです。振動を与えるとすぐ液状化しちゃうから」
面接官は自分を抑えることが出来なかった。人生とはいとも簡単に崩れるものであった。

#タワマン文学大賞
仕事にようやく慣れてきた頃。
職場の先輩と飲んでいると、隣の席の男性に声をかけられた。ギラギラとした縦縞模様のスーツに、先の尖った革靴を履いて「俺の家すぐそこのタワマンなんだ、夜景が綺麗だから見にこない?」見た目どおり同業の不動産屋だった。
#タワマン文学大賞
俺の名はルイ。源氏名でルイだ。俺がこの高階層に君臨できるのは、血の滲むような努力と、実際血の滲むような美容整形のおかげだ。俺はここで20人の客と暮らす。女との暮らしは骨が折れるので20人が限界だ。世間はこの城を、20人の女を“維持”する事から“ルイ維持マンション”と呼ぶ。 #タワマン文学大賞
俺愛彼女結婚即子供産、夢見幸福家庭、決買都内高層住宅時私33歳。10年経過私年収1050万精鋭雇人。但、妻専業主婦昼母友高級昼食5000円重荷、隆通日能研学費10万毎月、家計火車。妻常文句私的年収、是妻友夫年収2500万。会社始首切、住宅貸金残25年、私只感絶望。欲何処道間違俺。

#タワマン文学大賞
地元民との緊張が高まる中、妻子には日が暮れてからはタワマンを出ないよう。また駅直結の利点を活かしてなるべく地元を歩かないように申し伝えてある。管理費・修繕積立金・自衛費などコストはかかるがタワマンは現代の城だ。地元民の手の届かぬ高みにいれば安心なのだ。

#タワマン文学大賞
低層階の私に何かとマウントかましてくる高層階のたかしくんママ(45)、どの銀行でローン引いてるのか興味あってこっそり謄本を上げてみたら甲区に知らない名前が…「田○信太郎…?」なんと…賃貸の分際で区分所有者の私にあんな偉そうに…黒い復讐心が湧き上がるのを私は感じた…
#タワマン文学大賞
露と落ち 露と消えにし 我が身かな
タワマのことも 夢のまた夢
(豊臣秀吉)

解説:
無産階級の子供として産まれ、勉強一本で有名大学に入り一流企業に就職、タワマンを購入。絵に描いたような成り上がり人生だけど、死んだらチャラだからせめて家族のために団信入っておこう。

#タワマン文学大賞